雨の多い街で有名な金沢。落ち着いたたたずまいと緑あふれた自然が非常に美しく、雨にぬれてもまた魅力的に輝きます。空港からも遠くない金沢には飛行機で全国から観光客が訪れ、1年のどの時期であっても違う表情を見せてくれます。そんな金沢で厳選したお散歩スポット6カ所をご紹介します。傘をさして雨の金沢をしっとりと楽しみましょう。
まさに北陸の小京都！ひがし茶屋街
金沢には3つの茶屋街があり、その中でも一番大きいのがひがし茶屋街です。明治初期の建築が残る重要伝統的建造物群保存地区であるひがし茶屋街はまるで京都の祇園のようなたたずまいが魅力的で、金沢が小京都と呼ばれるのにふさわしい街並みが楽しめます。雨にぬれた石畳もつややかでしっとりとした雰囲気が美しく雨の似合う茶屋街です。周辺をお散歩すると九谷焼のお皿や、金箔など金沢を代表する工芸品のお店もならび、お土産選びも楽しめます。2時間ほどあれば十分お散歩ができる広さも人気の秘密です。
芸妓さんに出会うなら、にし茶屋街
にし茶屋街は金沢のお茶屋街の中で一番芸妓（げいぎ）さんが多い場所です。いまでも一見さんお断りである花街では、伝統的なスタイルである出格子を施した茶屋様式の家並みが楽しめます。お茶屋を再現した「金沢市西茶屋資料館」もあり、昔ながらのたたずまいに当時のお茶屋遊びの雰囲気を味わうことが可能です。その中でも1階に展示してある素囃子（すばやし）は、金沢無形文化財に指定されています。築200年の歴史のある「華の宿」では高級感あふれる群青（ぐんじょう）壁の間が見所で、朱壁（しゅかべ）の間もありどちらも鮮やかで美しい壁が印象的です。
主計町茶屋街は情緒あふれるライトアップも人気です
主計町茶屋街が金沢で一番情緒がある場所と言っても過言ではありません。国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている主計町茶屋街は、ひがし茶屋街からのお散歩コースにもぴったりです。浅ノ川に面した町並みの雰囲気はとても情緒があり、観光客も他の茶屋街に比べて少なくゆっくりとお散歩が楽しめます。浅ノ川にかかる浅ノ川大橋や、中の橋、梅の橋など非常に風情にあふれ金沢らしい写真が撮れる撮影スポットです。夜になるとライトアップもあり、また違った表情を見せてくれます。
加賀藩士たちの暮らしが残る武家屋敷跡
加賀藩士・中級武士たちの屋敷跡が多く建ち並ぶ長町の武家屋敷跡も見所のひとつです。現役で人が暮らしている武家屋敷も多くあり、木羽板ぶきの屋根を施した黄土色の土塀や、武士窓のある長屋門が当時の暮らしをうかがわせます。冬には雪から土塀を守るための「こも掛け」を見ることができます。公開している屋敷もあり野村家では藩士の暮らしぶりを見ることができ、その時代にタイムスリップしてしまうかのようです。長町友禅館では加賀友禅の製作実演を見学できるなど文化的な楽しみ方もたくさんあります。土塀の続く町並みをお散歩するだけでも十分に楽しめます。
一息つくなら時雨亭がおすすめ
お散歩中に一息つくのにぴったりなのは時雨亭（しぐれてい）です。兼六園内の別荘として主に茶の湯として利用された時雨亭は、いったん取り壊されたものの2000年に復元されました。庭側の10畳と8畳の座敷とそれに続く御囲は当時の平面図により復元されています。まさに庭を楽しむためといった、たたずまいがすばらしい座敷に仕上がっています。座敷に腰をおろして庭園を眺めることもでき、その魅力をたっぷりと味わうことが可能です。茶室から臨む長谷池は季節ごとに違った表情を見せてくれ、ゆったりとした時間の流れの中で当時の面影を垣間見ることができます。和菓子や煎茶、抹茶と共に楽しむことができ、風情あふれる休憩スポットとして人気です。
どの季節に訪れても美しい日本三名園、兼六園
金沢といえば何を差し置いても兼六園を忘れてはいけません。日本三名園のひとつに数えられ、屈指の美しさと雄大さが魅力です。24もの見所を備えた兼六園では、特に有名な徽軫灯籠や花見橋は写真スポットしても有名で行列ができるほどの人気を見せています。日本全国から多くの観光客が訪れて春には桜が咲き乱れます。曲水のカキツバタやツツジ、サツキといった色鮮やかな花たちが彩り、夏には気持ちよくお散歩を楽しむことが可能です。秋には燃えるような紅葉を楽しめ雪の兼六園は美しい幾何学模様を描き出す雪吊りが見られます。このように訪れる時期によって表情を変え、年間を通して楽しむことが可能です。
どの季節にもどのお天気にも楽しめる名所がずらり。
金沢の最大の特徴は四季を折々の魅力が楽しめることです。どの季節に訪れても違う表情を見せて天気の日には美しく輝き雨でもしっとりと情緒豊かに彩られます。散歩するのにちょうど良い広さである金沢でゆっくりと当時の文化にひたってみるのもおすすめです。