民宿とは？旅館との違いを料金やサービスなどまとめて解説

「旅館」と「民宿」にはどのような違いがあるのかご存知でしょうか。ほとんど同じように思えてしまう「旅館」と「民宿」ですが、実は両者には明確な違いがあります。今回は「旅館」と「民宿」の違いについてご紹介します。

民宿の定義

民宿の定義は次の通りです。
・民宿は「簡易宿所営業」として許可を得ている施設が多い。
・客室の延床面積は33㎡（宿泊者数が10人未満の場合は1人あたり3.3㎡）以上。
・適当な規模の入浴設備があり、男女区別されている。
・適当な規模の洗面設備を有する。

「旅館」と「民宿」に法律的な違いはある？

旅館と民宿に法律上の違いはあるのでしょうか。
旅館業法の条文に「民宿」という単語は記載されていませんが、それに当たる「簡易宿所」という施設の定義について記載されています。
旅館と簡易宿所の最大の違いは、面積にあります。旅館は、ひとつの客室数が和室の場合7平方メートル以上、洋室の場合9平方メートル以上でなければならないと定められていますが、簡易宿所（民宿）は「客室の延床面積が33平方メートル以上であること」と定められており、一部屋あたりの床面積については細かく決められていません。
また、旅館やホテルではフロント（玄関帳場その他これに類する設備）を設けなければならないと定められていますが、簡易宿所にはそのような決まりは特にありません。

まずは「ホテル」と「旅館」の法律上の違いから知る

みなさんのなかには「ホテル＝洋室」「旅館＝和室」というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。
旅館業には「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」という3つの区分があり、旅館とホテルの営業は「旅館・ホテル営業」に関する「旅館業法」という法律によって明確に定義付けられてはいます。
どちらも「洋室のみ（和室のみ）で構成されていなければならない」という決まりはとくにありません。
ホテルと旅館のおもな違いは「客室の数」や「入浴設備」「トイレ」などにあります。

〈ホテルの定義〉

ホテルの定義は次の通りです。
・客室の数は、十室以上であること。
・宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室又はシャワー室を有すること。
・便所は、水洗式であり、かつ、座便式のものがあり、共同用のものにあつては、男子用及び女子用の区分があること。
など

〈旅館の定義〉

旅館の定義は次の通りです。
・客室の数は、五室以上であること。
・当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障を来さないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること。
・適当な数の便所を有すること。
など

〈ホテル・旅館共通の定義〉

・洋式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ九平方メートル以上であること。
・和式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ七平方メートル以上であること。
・宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
など

ホテルは「客室数が10室以上」で「浴室やトイレの内容については洋式でなければならない」と指定されていますが、旅館のほうは「客室数が5室以上」と決められているものの、浴室やトイレについては特に細かい指定はされていないのです。

※参考：旅館業法施行令

「旅館」と「民宿」のその他の違い

ここまでは旅館と民宿の法律的な違いについて説明してきましたが、もちろん法律とは関係ない特徴面での違いもあります。
たとえば旅館は年間を通して宿泊施設として営業されているところが多いですが、民宿には経営者が農業や漁業などの本業を営んでいて、観光シーズンにのみ副業として自宅を宿泊施設として提供しているところが多いです。そのため旅館には女将さんなどの専門スタッフによる「おもてなし精神」あふれるサービスを受けられるというメリットがあります。民宿にはまるで親戚の家に泊まりに行ったかのような気分が味わえるというメリットがあります。
そのほかにも、旅館と民宿の特徴やメリットには以下のようなものがあります。