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世界遺産候補の1つ!長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産についてご紹介!

長きにわたるキリスト教禁教期及び鎖国の時代に信仰を続けた人々がいました。潜伏キリシタンと呼ばれる彼らが暮らした場所や教会が今も尚残っています。その世界遺産候補ともなっている長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産についてご紹介します。

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産とは?

長崎県から熊本県に及ぶ広範囲において、キリスト教禁教期に潜伏し密かに信仰を続けていた人々と関係する城跡や集落、教会があります。これらキリシタン関連遺産が世界遺産候補の1つとして挙げられています。
1587年のバテレン追放令から鎖国などの流れから、開国、1865年信徒発見、1873年キリシタン禁令の高札撤廃までの長きにわたり信仰は育まれ、世界的にも独特な文化的伝統が残る遺産です。
世界遺産登録候補の遺産は、大浦天主堂、原城跡、10の潜伏キリシタン集落の要素で構成されます。

潜伏キリシタン関連遺産の要素

大浦天主堂

1596年のサン=フェリペ号事件をきっかけに再び禁教令が出され、26人が捕縛され長崎で処刑されました。彼らは日本二十六聖人と呼ばれています。
大浦天主堂は1865年に日本二十六聖人に捧げられ建てられた教会であり、日本二十六聖殉教者堂とも命名されています。大浦天主堂は日本において洋風建築輸入がはじまった初期頃のゴシック様式洋風建築です。1933年に国宝に指定され、1953年に文化財保護委員会により再指定されています。

原城跡

原城は1637年に起った島原・天草一揆の舞台です。有馬晴信失脚後廃城となっていた、日野江城の支城ですが島原・天草の一揆の際には農民やキリシタン、約3万7,000人が籠城しました。約12万人にのぼる幕府軍に包囲され、1638年の総攻撃により一夜にして終結。本丸、二ノ丸、三ノ丸、天草丸、鳩山出丸などから構成される城でした。この一揆は幕府へ大きな影響を与えることとなり、鎖国に繋がっていく歴史的に大きな出来事となりました。城跡からは十字架やメダイ、ロザリオなどの信仰具が多数発掘されています。

10の集落

世界遺産登録候補は大浦天主堂、原城跡の他、10の集落があります。平戸、生月地区の「平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)」と「平戸の聖地と集落(中江ノ島)」、外海地区の「外海の出質集落」と「外海の大野集落」、黒島地区の「黒島集落」、小値賀地区の「野崎島の集落跡」、上五島地区の「頭ヶ島の集落」、下五島地区の「久賀島の集落」「奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)」、そして熊本県浅草地区の「天草の﨑津集落」となります。
それぞれ山に囲まれた場所であったり無人島であったりと、人目につかない閉ざされた環境下である場所が多く、密かに信仰を続けていたことがわかります。

重要文化財の教会堂

集落にある教会は重要文化財に指定されているものも多く残っています。外海地区の「出津教会堂」「大野教会堂」、黒島地区の「黒島天主堂」、上五島地区の「頭ヶ島天主堂」、下五島地区の「旧五輪教会堂」「江上天主堂」が国の重要文化財に指定されています。
上記の教会と田平天主堂、﨑津教会、旧野首教会への教会見学は事前連絡が必要となります。

美しい重要文化的景観選定の地

潜伏キリシタンたちの生活や生業への理解が深まる集落には国の重要文化的景観に指定されている場所が複数あります。

外海地区の「長崎市外海の石積集落景観」、黒島地区の「佐世保市黒島の文化的景観」、平戸地区の「平戸島の文化的景観」、小値賀地区の「小値賀諸島の文化的景観」、上五島地区の「新上五島町崎浦の五島石集落景観」、下五島地区の「五島市久賀島の文化的景観」、天草地区の「天草市﨑津・今富の文化的景観」が指定されています。

さいごに

2世紀を超える中で表舞台に立つことなく密かに信仰を続けた潜伏キリシタン。彼らの信仰心の強さはこれからも語り継がれていくでしょう。彼らの歩んだたゆまない信仰の軌跡をぜひその目で確かめてください。

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