北陸・選りすぐりの秘湯 4選

日本一高所の天然温泉、立山・室堂平の「みくりが池温泉」

富山から長野にかけて延びる黒部・立山アルペンルートは、初心者でも気軽に山歩きを楽しめるコースです。春は約20メートルもの残雪の壁に囲まれる雪の大谷、夏はみずみずしい新緑、秋は美しい紅葉、冬はまっさらな銀世界と四季折々の美しさを見せ、観光客にも人気のスポットとなっています。その立山・黒部アルペンルートの室堂平にあるのが、日本一高所の天然温泉「みくりが池温泉」です。標高2410メートルという高さに位置し、「秘境の宿」と呼ぶにふさわしいロケーションになります。地獄谷の源泉から引いた100%掛け流しのお湯は、白く濁る硫黄の香り。立山を望む絶景を眺めながら、ゆっくりと温泉を楽しむことができます。宿泊施設がありますが、日帰り入浴も可能です。

明治創業の秘湯、中宮温泉「にしやま旅館」

北陸新幹線の開通により、人気の観光地として注目されている金沢。世界遺産に登録されており、国内外から多くの観光客が訪れる白川郷や飛騨高山。この二大観光スポットを結んでいるのが「白山白川郷ホワイトロード」です。「中宮温泉」は、この「白山白川郷ホワイトロード」の金沢側のスタートラインに位置します。温泉郷としての歴史は古く、いくつかの温泉宿があります。なかでも明治2年に湯治宿として創業した「にしやま旅館」は、昔ながらの山里の趣を残した風情ある旅館です。明治・大正の頃の交通手段は徒歩のみでしたが、多くの人が城下町金沢など遠くからも、丸1日かけて歩いて訪れたといいます。長い歳月を経て人々を癒し続け、今もひっそりと山奥にたたずむ温泉は、現代の人の身も心も癒してくれることでしょう。

湖に浮かぶ宿、虹岳島温泉「虹岳島荘」

「三方五湖（みかたごこ）」は、ラムサール条約にも登録されている福井県の5つの湖の総称です。標高の低い山々の谷間に「三方湖」「水月湖」「菅湖」「久々子湖」「日向湖」という5つの湖があり、それぞれの色合いの絶妙な違いが織りなす自然美は、多くの観光客を魅了しています。この景勝地「三方五湖」のうち「水月湖」に浮かぶように建っているのが、秘湯の虹岳島温泉の温泉宿「虹岳島荘」です。古民家を移築した一軒宿で、ロビーの窓からは美しい湖が一望できます。夏は青々とした木々が湖面に映る美しい風景を、冬は湖面に浮かぶ水鳥たちを、それぞれ季節ごとの自然を眺めながらくつろげる宿です。湖畔にわき出る鉱泉を利用した温泉で、水着着用で入れる温泉プールまであるので、カップルやファミリーでも楽しめます。

山間の静けさをたたえる、岩間温泉「山崎旅館」

人里離れた石川県白山市の山奥にある岩間温泉は、岐阜との県境に近いロケーションです。全国から登山やトレッキングを目的に多くの人が白山を訪れています。湯元には野天風呂があり、白山登山を楽しむ登山客にも親しまれています。そんな岩間温泉にある「山崎旅館」は、2012年に全面リニューアルオープンしました。周辺の自然を活かした素朴な雰囲気はそのままに、宿泊施設の設備は新しく快適になっています。開放的な露天風呂はまさに秘湯といえる混浴温泉で、緑に囲まれた大自然のなかにある温泉です。また、夜は満天の星空のもとで、源泉かけ流しの湯を楽しむことができるのも大きな魅力となっています。源泉かけ流しの温泉はもちろん飲用にしてもよく、まろやかでとても飲みやすい温泉です。

行った人だけがわかる感動がある

今回紹介したのは、知る人ぞ知る秘湯ばかりです。交通機関やシーズンも限られており、訪れるのが簡単とはいえません。その分、道中の風景や自然のなかならではの体験も、行った人だからこそわかる旅の大事な思い出になります。ようやくたどり着いた先での絶景や心地よい温泉の癒しを思い浮かべながら、わくわくする旅を楽しんでください。