
国際線での飲み物に関する疑問や不安はありませんか?「機内に持ち込める?」「免税店で買ったものは?」「LCCだとどうなる?」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。この記事では、国際線の液体物持ち込みルールである100ml制限の基本から、出国後の免税店での購入品、そして機内サービスを最大限に活用する方法まで、飲み物に関するあらゆる情報を徹底解説します。これらの情報を知ることで、保安検査でのトラブルを避け、機内での時間を快適かつお得に過ごすための具体的なコツが手に入ります。賢く準備して、安心して空の旅を楽しみましょう。
1. 国際線の機内に飲み物を持ち込む際の基本ルール
2. 出国後の免税店で購入した飲み物は持ち込める?
3. 機内サービスを最大限に活用しよう
4. 100mlを超える飲み物は預け入れ荷物へ
5. まとめ
1. 国際線の機内に飲み物を持ち込む際の基本ルール
国際線でのフライトは、国内線に比べて長時間にわたることが多く、機内での水分補給やリラックスタイムに欠かせない飲み物について、事前にルールを把握しておくことが重要です。特に初めて海外旅行へ行く方や、国際線の利用に慣れていない方は、液体物の機内持ち込みに関する国際線ならではの厳しい規定をしっかりと確認し、スムーズな搭乗と快適なフライトに備えましょう。
1.1 100mlを超える液体物の持ち込みはNG!
国際線の機内持ち込み手荷物には、液体物に関する厳格なルールが設けられています。最も基本的なルールとして、100ml(ミリリットル)を超える容器に入ったあらゆる液体物は、機内への持ち込みが禁止されています。たとえ容器の中に100ml以下の液体物しか入っていなくても、容器自体の容量が100mlを超えている場合は持ち込みができません。
水やお茶、ジュースといった飲料はもちろんのこと、化粧水やシャンプーなどの日用品もこの制限の対象です。市販されている一般的なペットボトル飲料(500mlなど)は、この100mlを超える液体物に該当するため、保安検査時に発見された場合は、検査員の判断で没収/廃棄を求められることがあります。液体物を機内に持ち込みたい場合は、必ず100ml以下の容器に小分けにする必要があります。
1.2 液体物制限の対象となるのはどんなもの?
国際線における液体物制限の対象は、飲料水だけにとどまりません。非常に広範囲なものが対象となりますので、搭乗前にご自身の持ち物が該当しないか確認が必要です。液体物には「液体」に加え「ジェル類」及び「エアゾール(煙霧質)」が含まれ、容器に入れないとその形状を保てない半液体状物も量的制限の対象となります。具体的な対象となる液体物の例を以下に示します。
| 分類 | 具体的な例 |
| 飲料 | 水、お茶、ジュース、コーヒー、アルコール飲料、スポーツドリンク、炭酸飲料など |
| 化粧品・医薬品(液体状・ジェル状・エアゾール類) | 化粧水、乳液、美容液、クリーム、リキッドファンデーション、マスカラ、リップグロス、香水、歯磨き粉、シャンプー、リンス、ボディソープ、ヘアジェル、ヘアスプレー、液体石鹸、うがい薬、目薬(医薬品以外)など |
| 食品(液体状・半固体状) | ヨーグルト、プリン、ジャム、はちみつ、味噌、漬物、シロップ、缶詰(液体を含むもの)、レトルト食品(液体ソースを含むもの)、スープ、調味料(醤油、ソース、ケチャップ、マヨネーズなど)、食用油など |
| その他 | 液体状の洗剤、接着剤、インクなど |
これらの液体物は、100ml以下の容器に入れた上で、容量1リットル以下、縦横の辺の合計が40cm以内(縦20cm×横20cm以下)の透明なジッパー付きプラスチック袋に余裕を持って入れてください。この透明プラスチック製袋は、お客様ご自身で事前にご用意いただく必要があり、機内持ち込み可能な袋の数は、お一人様あたり一つのみと定められています。
1.3 例外となる液体物と持ち込み方法
厳しい液体物制限がある一方で、特定の目的のために必要とされる液体物には例外が認められています。これらは機内への持ち込みが可能ですが、いくつかの条件を満たす必要があります。
- 医薬品: 処方薬や市販薬で、フライト中に必要不可欠な液体状の医薬品は持ち込みが可能です。ただし、処方箋の写しや医師の診断書など、その必要性を証明できるものを携帯することが推奨されます。
- ベビーフード・ベビーミルク: 乳幼児がフライト中に消費する量のベビーフード、ベビーミルク、離乳食などは持ち込みが可能です。粉ミルクをお持ちの場合は、機内でお湯の提供も可能です。
- 特別な制限食: 糖尿病食など、健康上の理由からフライト中に摂取が必要な液体状の特別な制限食も持ち込みが認められています。
これらの例外となる液体物は、前述のジッパー付き透明プラスチック袋に入れる必要はありませんが、保安検査時に係員に申告し、別途検査を受ける必要があります。検査官の指示に従い、スムーズな検査にご協力ください。
1.4 世界共通のルールであることを理解しよう
国際線の液体物制限は、特定の国や航空会社独自のルールではありません。これは、国際的なセキュリティ基準を通じ、世界中のほとんどの国と地域で導入されている共通の保安対策です。2006年の航空機爆破テロ未遂事件を受けて、液体性爆発物対策として2007年3月1日より日本を出発する全ての国際線でこのルールが導入されました。
日本をはじめ、アメリカ、カナダ、EU加盟国(ドイツ、フランスなど)、イギリス、中国、韓国、シンガポール、オーストラリアなど、主要な国々や地域で同様の制限が設けられています。そのため、どの国へ渡航する場合でも、この液体物制限のルールが適用されることを理解しておくことが非常に重要です。事前にルールを把握しておくことで、保安検査での予期せぬトラブルや、大切な飲み物の没収といった事態を避けることができます。最新の情報は、ご利用の航空会社や出発・乗り継ぎ空港の公式サイトで確認することをおすすめします。
2. 出国後の免税店で購入した飲み物は持ち込める?
国際線を利用する際、保安検査を通過した後のエリア、通称「クリーンエリア」には、免税店をはじめとする様々な売店があります。このクリーンエリアで購入した飲み物(液体物)は、100mlを超える容量であっても、原則として機内への持ち込みが可能です。これは、保安検査を終え、安全が確保されたエリアでの購入品であるため、航空保安上の問題がないと判断されるためです。ミネラルウォーターやジュース、アルコール類、化粧品など、多種多様な液体物が購入できます。
2.1 免税品持ち込みの条件と注意点
免税店で購入した液体物を機内に持ち込むためには、いくつかの条件があります。これらの条件を満たさない場合、たとえクリーンエリアで購入したものであっても、機内への持ち込みが制限される可能性があるため注意が必要です。
- 不正開封防止袋(STEBs)への封入: 購入した液体物は、「Security Tamper-Evident Bag(STEBs)」と呼ばれる特殊な透明な袋に封入されている必要があります。この袋は、一度開封するとその痕跡が残るように設計されており、液体物に対する不正な干渉がないことを証明する役割があります。
- 未開封の維持: 最終目的地に到着し、空港を出るまで、このSTEBsは絶対に開封してはいけません。開封された場合、保安検査場で没収の対象となる可能性があります。
- 購入レシートの保管: 購入を証明するレシートがSTEBs内に、かつ見えるように入れられていることが条件となります。これにより、いつ、どこで、何を購入したかが明確になります。
免税店では、お酒(ウイスキー、日本酒、リキュールなど)、香水、化粧水、美容液といった様々な液体商品が人気です。これらの商品は容量に関係なく購入できますが、機内持ち込みの際は上記のルールを遵守することが不可欠です。
2.2 乗り継ぎ便がある場合の注意
直行便の場合は上記の条件を満たせば問題なく機内に持ち込めますが、国際線での乗り継ぎがある場合は、免税品の液体物の取り扱いが複雑になり、注意が必要です。乗り継ぎ先の空港で再度保安検査を受ける際、購入した免税品が没収されてしまうケースが少なくありません。
STEBsに封入されていても、乗り継ぎ地の空港のルールによっては、STEBsが認識されなかったり、追加の検査が必要となったりする場合があります。特に、STEBsの運用がされていない国や地域を乗り継ぐ場合、液体物持ち込み制限の対象となり、100mlを超えるものは没収されてしまう可能性が高いです。
例えば、EU圏内では比較的統一されたルールがあり、STEBsに入った未開封の液体物は保安検査を通過できることが多いですが、全ての国や地域で同様の対応が保証されているわけではありません。
このようなトラブルを避けるために、乗り継ぎ便を利用する際は以下の点に留意しましょう。
| 項目 | 内容 | 備考 |
| 購入場所の検討 | 液体物のお土産は、最後の乗り継ぎ空港または最終目的地で購入することを検討しましょう。 | 出発地の免税店での購入は、乗り継ぎ時のリスクを伴います。 |
| 預け入れ荷物への収納 | もし出発地の免税店で液体物を購入したい場合は、乗り継ぎ地の空港で一度荷物を受け取り、預け入れ荷物として再チェックインするという選択肢もあります。 | ただし、乗り継ぎ時間が短い場合や、受託手荷物の受け取り・再預け入れができない便の場合は困難です。 |
| 事前確認の徹底 | 利用する航空会社や乗り継ぎ空港の公式ウェブサイトで、免税品の液体物に関する最新のルールを事前に確認することが最も重要です。 | 空港や航空会社によっては、乗り継ぎ時の液体物持ち込みに関する詳細な情報を提供しています。 |
せっかく購入した免税品が没収されることのないよう、特に乗り継ぎ便を利用する際は、液体物の取り扱いについて入念な準備と確認を心がけましょう。
3. 機内サービスを最大限に活用しよう
国際線での長時間のフライトを快適に過ごす上で、機内で提供されるドリンクサービスは非常に重要です。液体物の機内持ち込みには厳しい制限があるため、機内サービスを賢く利用することで、手荷物の負担を減らしつつ、フライト中の水分補給やリフレッシュが可能です。特に、フルサービスキャリア(FSC)では多種多様なドリンクが無料で提供されるため、積極的に活用しましょう。
3.1 無料で楽しめるドリンクの種類
JALやANAといった日本の主要なフルサービスキャリア(FSC)の国際線では、エコノミークラスを含め、様々な種類の飲み物が無料で提供されます。ソフトドリンクはもちろんのこと、アルコール飲料も無料で楽しめるのが大きな特徴です。提供されるドリンクの種類は、航空会社や搭乗クラス(エコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネス、ファースト)、路線、季節によって異なりますが、一般的には以下のものが用意されています。
| カテゴリ | 主なドリンクの種類 | 特記事項(例:JAL/ANA) |
| 冷たいソフトドリンク | 水、炭酸水、各種ジュース(オレンジ、アップル、トマトなど)、コーラ、緑茶など | JALでは「スカイタイム ももとぶどう」などのオリジナルドリンクも提供されています。 |
| 温かいソフトドリンク | コーヒー、紅茶、緑茶など | JALでは「JAL CAFÉ LINES」としてこだわりのコーヒーを提供しています。 |
| アルコール飲料 | ビール、ワイン(赤・白)、日本酒、ウイスキー、ジン、ウォッカなど | 多くのFSC国際線で無料で提供されます。 搭乗クラスが上がるにつれて、銘柄の選択肢が豊富になる傾向があります。 |
これらのドリンクは、機内食の提供時だけでなく、フライト中に客室乗務員がカートで巡回する際や、座席のコールボタンで呼び出してリクエストすることで楽しむことができます。 特に長距離路線では、アルコール類も充実しており、旅の気分を盛り上げるのに一役買います。
3.2 LCC利用時のドリンクサービスは?
ピーチやジェットスターなどの格安航空会社(LCC)の国際線では、運賃を抑えるビジネスモデルのため、機内サービスは基本的に有料となっています。これにはドリンクサービスも含まれており、水を含め、全ての飲み物が有料で提供されます。
LCCを利用する際は、機内でドリンクを購入するか、出国後の免税店エリアで購入した飲み物を持ち込むことを検討しましょう。ただし、乗り継ぎがある場合は、乗り継ぎ先の国の液体物持ち込み制限に注意が必要です。機内での購入は、フライト中に客室乗務員が販売カートで巡回する際に現金またはクレジットカードで支払うのが一般的です。航空会社によっては、事前にウェブサイトでドリンクを予約購入することで割引が適用される場合もあります。
3.3 おかわりはできる?
フルサービスキャリア(FSC)の国際線では、ドリンクのおかわりは基本的に可能です。特に長距離路線では、フライト中に複数回ドリンクサービスが行われるほか、食事サービス以外の時間帯でも、客室乗務員に声をかけたり、座席のコールボタンを利用したりすることで、追加のドリンクをリクエストできます。
ただし、離着陸時や乱気流発生時など、シートベルト着用サインが点灯している間は安全上の理由からサービスが中断されます。また、飲み物の在庫には限りがあるため、特に人気のドリンクはフライトの後半になると品切れになる可能性もあります。早めに希望のドリンクをリクエストすることをおすすめします。
一方、LCCの場合は、前述の通り全てのドリンクが有料であるため、おかわりをするたびに料金が発生します。
4. 100mlを超える飲み物は預け入れ荷物へ
国際線では、機内持ち込みが制限される100mlを超える液体物であっても、スーツケースなどの預け入れ荷物に入れれば、基本的に問題なく運ぶことができます。これにより、お気に入りのドリンクや現地で使いたい液体物を持参することが可能になります。
ミネラルウォーターやジュースといった飲料はもちろん、日本酒やワインなどのお酒、さらには醤油、味噌、ジャム、化粧水、シャンプーなどの液体物扱いの食品や日用品も、この方法で運ぶことができます。ただし、預け入れ荷物には航空会社ごとに定められた重量制限があるため、大量の液体物を入れる際は超過料金に注意が必要です。
4.1 預け入れ時の液漏れ対策
預け入れ荷物に入れる際、最も懸念されるのが液漏れや容器の破損です。飛行中の気圧変化や、荷物の積み下ろし時の衝撃などにより、容器が損傷したり、キャップが緩んだりする可能性があります。大切な荷物を守るためにも、万全の液漏れ対策を講じましょう。
具体的な対策としては、以下の方法が効果的です。
- キャップの徹底的な密閉:容器の蓋やキャップは、緩みがないか確認し、しっかりと閉めましょう。さらに、マスキングテープやビニールテープでキャップ部分を固定すると、より安心です。
- 二重の保護:容器全体を食品用ラップで何重にも包んだ後、ジッパー付きのビニール袋や防水ポーチに個別に入れることを強くおすすめします。万が一液漏れしても、他の荷物への被害を最小限に抑えられます。
- 衝撃吸収材の活用:容器を衣類やタオルなどで包み、スーツケースの中央部分に配置することで、外部からの衝撃を和らげることができます。特にガラス瓶など破損しやすい容器は、厚手の衣類で厳重に保護しましょう。
- 専用容器の利用:旅行用の液漏れ防止機能付きボトルや、気圧変化に強い設計の容器に入れ替えるのも賢い選択です。
- 容量に余裕を持たせる:容器いっぱいに液体を詰め込まず、少し空間を残しておくことで、気圧変化による液体の膨張に対応しやすくなります。
4.2 アルコール飲料の預け入れに関する注意点
お土産などでアルコール飲料を預け入れる場合は、一般的な液体物とは異なる特別な制限があるため注意が必要です。アルコール度数によって持ち込める量が定められています。
| アルコール度数 | 預け入れ可能量(一人あたり) | 備考 |
| 24%以下 | 制限なし | 一般的なビール、ワイン、日本酒など。 |
| 24%超70%以下 | 5リットルまで | ウイスキー、焼酎、ウォッカなど。 |
| 70%超 | 預け入れ不可 | 機内持ち込みも不可。 |
これらのルールは航空会社や国によって異なる場合があるため、事前に利用する航空会社の公式サイトで最新の情報を確認することを強くおすすめします。
5. まとめ
国際線での飲み物は、快適な空の旅に欠かせません。安全確保のため、機内への液体物持ち込みには100ml以下の容器に入れるという世界共通の厳しい制限があります。しかし、出国後の免税店で購入した未開封品や、医療品・ベビーミルクなどは例外として持ち込み可能です。また、航空会社の機内サービスでは、多くのドリンクが無料で提供され、LCCでは有料の場合もあります。これらのルールやサービス内容を事前に把握し、預け入れ荷物も活用することで、スマートにフライトを楽しめます。賢い準備で、あなたの空の旅をより充実させましょう。
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